[映像]HDMI 2.1とHDMI 2.0bの比較

最新規格のHDMI2.1とHDMI 2.0bの差分は?

HDMI2.1の規格が発表されてから久しいが、今までのHDMI 2.0bとの差分をちゃんと理解できてなかったので調べてまとめておく。

HDMI最大Pixel Clock最大帯域幅最大伝送速度HDRフレームレート
2.0b600MHz18Gbps14.4Gbps静的固定
2.11.2GHz48Gbps42.6Gbps静的 + 動的固定 + 可変

規定されている帯域幅と、伝送速度は異なるので注意。また、2.1では新たに以下の機能対応している。
  • Auto Low Latency Mode (ALLM)
  • Enhanced Audio Return Channel (eARC)
  • Quick Frame Transport (QFT)
  • Quick Media Switching (QMS)
  • Variable Refresh Rate (VRR)
各機能の概要は、HDMI licensing administrator, inc.のOverviewのページに載っている。

https://www.hdmi.org/manufacturer/hdmi_2_1/index.aspx

8K、4Kなどのフォーマット対応状況は、映像の圧縮・非圧縮や圧縮形式なども絡んでかなり複雑なので、ここでは比較していない。参考までに、詳しい比較表が以下に載っていたのでリンクを載せておく。

http://en.tab-tv.com/?p=14472

静的HDR(Dynamic HDR)と動的HDR(Dynamic HDR)の違い

HDRの静的HDR(Static HDR)は、ソース機器(映像を出力する機器。ゲーム機など)とシンク機器(映像が入力される機器。テレビなど)でHDRのガンマカーブ値を固定して映像を伝送する。

そのため、映像の全フレームでHDRのガンマカーブは同じとなる。 一方、動的HDR(Dynamic HDR)は、ガンマカーブ値を各フレームごとにメタデータとして付加して映像伝送するため、各フレームで異なるガンマカーブによって映像を出力することができる。

これにより、各フレームでガンマカーブを最適化しながら映像伝送することができる。 同じ帯域でも、各フレームで最適化されたガンマカーブを使用した方がより豊かな輝度表現が可能となる。

HDRについては、以下の記事で過去にまとめている。
【映像】HDRの方式:PQとHLG、HDR10とHDR10+とDolby Visionなど

HDMIの基礎を学ぶのにオススメの書籍

HDMIはDVIの流れをくむ規格であり、体系的に内容が解説されている日本語の書籍は少ない。

以下の書籍は、HDMIの信号形式や設計上のトラブルシューティング、プリント基板設計などについて網羅的に書かれているので、HDMI対応機器の設計をするイメージを持つにはもってこいの本である(私も最初にHDMIに関わるときにこの本を読んだ)。



規格としてはHDMI 1.4までの内容が書かれているので、HDMI 2.0以降の内容については別途フォローが必要となる。ただし、基本的な内容はHDMI 2.0以降でも踏襲されており、最新の規格内容を理解するのにも十分役に立つ。初学者がHDMIの概要を理解するのにはちょうど良い。


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