半導体でよく聞くES、CS、MPの意味や違いは?
ICやLSIなどに関わる仕事をしていると、ESサンプルとかCSサンプルといった言葉をよく聞く。今回はこれらの用語の意味や種類についてまとめてみる。ES、CS、MPは半導体の設計段階や完成度が異なるサンプルのこと
ES、CS、MPは半導体の設計段階や完成度が異なるサンプルのことで、ES→CS→MPの順番にリリースされていく。一般的には、それぞれのサンプルの意味は以下のようになっている。※ただし、規格団体などによって明確に意味が定義されているわけではないので、メーカーによって若干意味合いが異なることもあるので注意。
- ES(Engineering Sample):ある程度の動作検証を行ったサンプルで、ユーザー(半導体を買って使う顧客)に機能や性能を評価してもらうためのサンプル。評価用のため信頼性は保証しない。
- CS(Commercial Sample):量産品と同等のサンプルで、ユーザーに最終評価を行ってもらうためのサンプル。量産と同等品なので、信頼性も保証される。
- MP(Mass Production):大量生産された量産品。
私も多くの半導体メーカーと仕事をしてきたが、ESとCSについては、大体どこの半導体メーカーで使われている用語である。
MPについても一般的に使われる言葉だが、MP品とは呼ばずに単に量産品と呼ぶメーカーもある(意味としては同じだが)。
TS、DSなどその他の用語の意味は?
ちなみに、この記事を書くにあたってネットを検索したところ、以下のような用語も見られたが、こちらはESやCSに比べるとマイナーで、メーカー独自、あるいは半導体業界の一部の界隈で使われる用語だと思う。- TS(Test Sample):東芝の資料で発見。「機能試作」というESの前段階の試作品を指すようだ。
- DS(Design Sample):ルネサスの資料で発見。動作検証を終える前のレベルで、メカ・サンプルと呼ばれることもあるとのこと。こちらもESの前段階の試作品。
ちなみに、経済産業省の資料を見るとPP(Pre-Production)、WS(Working Sample)なんていうことがもあるが、こちらは半導体というよりは一般的な製品全般で使う言葉のようだ。
新しいものを見つけたら追記していきたいと思う。
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