部品によって基板上への実装方法は異なる
電子部品などを扱っていると、DIPやSMDといった言葉を聞くことはあると思う。これらは部品を基板上に実装するときの方式のこと。代表的な部品の実装方式の概要を以下にまとめた。
DIP(Dual-in-line package)部品
DIPはDual-in-line packageの略で、パッケージから下向きに足が出ている部品のこと。D 趣味の電子工作では、こちらの部品を使うことが多いと思う。以下のように基板の穴のスルーホール(内部が銅でメッキされた穴)やノンスルーホール(内部が絶縁された穴)に足を差し込み、反対面ではんだ付けして実装する。
手作業ではんだ付けがしやすいので電子工作には便利な部品。ただ、一般的に実装面積が大きく、反対面に部品をマウントできなくなる。
また、製品として量産する場合は後述するSMD実装の方が高速に実装が可能なため、電化製品などではSMDの部品が多く使われる。
ただし、DIP部品の方が外力が加わっても部品が剥がれたりしにくいので、頻繁に力が加わるLANやUSBのコネクタなどでは、DIPが使われることも多い。
SMD(Surface Mount Device)部品
SMDはSurface Mount Deviceの略で、その名の通り表面に実装する部品である。表面実装部品と呼ばれることもある。DIP部品のように足が伸びておらず、以下のように部品をマウントする面にはんだ付けを行う。
DIP部品に比べて手作業ではんだ付けしにくいので、電子工作ではDIP部品の方がよく使われる。
一般にDIP部品よりサイズが小さく、基板の両面に部品をマウントできるため、DIP部品よりも多くの部品を基板上に実装することができる。
また、はんだペーストを塗布してリフロー(熱を加えて半田を溶かす)することで、短時間で半田付けを完了することが出来るので、電化製品などで使われる部品はSMD部品が多い。
電化製品を分解してみればわかるが、抵抗やコンデンサなどはほとんどSMDのチップ部品である。
圧入(プレスフィット)部品
こちらは半田を使わず、スルーホールにコネクタなどの足を圧力で押し込んで、部品にマウントする部品。以下の図はコネクタをイメージして描いている。DIPやSMDに比べるとマイナーだが、コネクタなどで採用されることがある。 はんだを使わないので、はんだペーストの塗布やリフローなどの手間が少なく、量産を効率的に行うことができる。
また、はんだ不良やはんだの劣化によるトラブルのリスクが低減するというメリットもある。 ただし、部品に合わせて圧入のための治具を用意する必要があるのはデメリットではある。
どの実装方式の部品を使うかはケースバイケース
どの実装方式にもメリット、デメリットがあり、どういった実装方式の部品を使うかはケースバイケース。例えばコネクタなどはDIP部品を使うケースが多いと書いたが、基板の小型化のためにSMDの部品を使用することもある。
基板設計時には実装の都合なども考慮して、部品を選択していく必要がある。
0 件のコメント :
コメントを投稿