LTspiceを使うのに最低限の操作をやってみる
前回はLTspiceをインストールした。今回は、CRローパスフィルタのSimulationを通してLTspiceの基本的な操作を紹介する。あまり複雑な操作には触れず、なるべく必要最低限の操作に絞って紹介する。回路図の作成
「File」→「New Schematic」を選択。ちなみにShematicは日本語で回路図のこと。すると、以下のようなグレーの背景の画面が開く。これで回路図入力の準備ができた。
抵抗とキャパシタの入力
まず、キャパシタと抵抗を入力してみる。以下の画像のツールバーからキャパシタと抵抗を選択し、部品を配置する。配置した後は、キーボードのEscapeキーで部品配置から抜けることができる。後で接続するとき、抵抗は横に向けておいた方が都合がいい。
以下の画像から手を握っているようなマークの「Drag」を選択して、配置した抵抗Rを選択する。この状態でCtrl + Rを押せば、部品を回転させることができる。また、キャパシタCも適当な位置に移動させておく。
Simulationをするときには抵抗とキャパシタの値を決める必要がある。値を変更するには、部品の上で右クリックすれば設定画面が開く。まずは抵抗を、適当に10kΩに設定する。
同じようにキャパシタを右クリックで選択して値を設定する。今回は10u(マイクロ)Fに設定した。これで抵抗とキャパシタの入力は完了。
電源とグランドの入力
次に、電源とグランドを入力する。まずはツールバーの「Component」ボタンを押す。すると部品選択画面がでるので、voltageを選択してOKを押す。これで電源を配置できるので、先ほどの抵抗とキャパシタと同じように、電源を配置する。今回はステップ応答のSimulationをしてみようと思う。配置した電源のうえで右クリックを押すと、電源の設定画面が出てくる。
DCの定電圧のSimulationをしたいのであれば、DC valueに値を入れればいいのだが、時間経過で電圧値を変化させたい場合は「Advanced」を選択する。すると電圧の変化を設定する画面が開く。
一見、ステップ応答は無いように見えるが、PULSEのパラメータを調整することでステップ応答を実現することができる。今回は以下のようにパラメータを設定した。
参考までに、各パラメータの説明を以下に簡単にまとめた。
- Vinitial:電圧の初期値。PULSE信号のLOWの時の電圧値。
- Von:PULSE信号のHIGHのときの電圧値。
- Tdelay:Simulation開始から電圧がVonになるまでの時間。
- Trise:電圧が立ち上がるまでの時間。今回はステップ応答をみるため十分小さくした。
- Tfall:電圧が立ち下がるまでの時間。こちらも十分小さくした。
- Ton:電圧がVonになったときに保持する時間。
- Tperiod:PULSE信号の周期。
- Ncycles:PULSEを繰り返すときの回数。ここを指定しなければ、ON/OFFをSimulation終了まで繰り返す。
これで電源の設定は完了。次にグランドだが、抵抗やキャパシタと同じようにツールバーの「Ground」を選択し、回路図上に配置する。
配置したら、ツールバーの鉛筆のようなマークの「Wire」を選択し、回路図上の部品を以下のように接続する。C1のうえで、Wireを少し右にはみだして配線しているのは特に意味はないのだが(笑)、出力電圧の位置をわかりやすくするためにこのようにした。
ちゃんとしたPortを接続することもできるのだが、今回はなるべくシンプルにSimulationまでやりたいので省略する。
これでSimulationの準備は完了。
Simulationの実行
ツールバーの人が走っているマークの「Run」を押すと、Simulationの実行画面が開く。とりあえずSimulationのStop timeを適当に設定し、OKを押せばSimulationを実行できる。すると波形表示画面が表示される。最初は何も表示されていないが、この状態で回路図上の波形を見たい部分をクリックすることで、Simulationで計算された波形を見ることができる。
以下の画像では、V1のうしろと、C1の上のあたりをプロービングしてみた。時定数を大きくし過ぎたので少しわかりづらいが、先ほど電源で設定したTdelayの5msecあたりで電源が立ち上がり、それに対してローパスフィルターの効果でゆっくりと電源が立ち上がっているのがわかる。
抵抗RやキャパシタCの値を変えることで時定数が変わり、波形の立ち上がりの様子が変わる。LTspiceを使えば、Simulationで波形を確認しながらフィルタの設計をすることができる。
回路図の保存
回路を保存して置く場合は、FileからSave Asを選択する。あとは、LTspiceのファイル形式.ascで適当な名前を付けて回路図を保存すればよい。
保存したファイルを開くときは、FileからOpenを選択し、ascファイルを選択すれば回路図を開ける。
今後も色々な回路を作成して、ブログにアップしていきたいと思う。
0 件のコメント :
コメントを投稿