[映像] HDMIのContent Type(コンテンツタイプ)とは何か?どのような種類がある?


HDMIのContent Type(コンテンツタイプ)とは?

HDMI対応した製品を扱っていると「コンテンツタイプ」という言葉を聞くことがある。この記事では、コンテンツタイプとはどのようなものか、どういう種類があるのかについてまとめてみる。

また、コンテンツタイプの仕様に関わる規格団体や規格書についても書いてみた。

コンテンツタイプは、TVなどのSink機器の出力を調整するための情報

まず、コンテンツタイプはSource(ソース:ゲームなど、HDMI信号を送信する側)がSink(シンク:テレビなど、HDMI信号を受信する側)に対して送る情報である。

Source機器はSink機器に接続されると、まずSink機器からEDIDというSink機器の情報が詰まったデータを受け取り、どのようなコンテンツタイプに対応しているかを確認する。そして、AVI InfoFrameというパケットデータの中にコンテンツタイプの情報が入れて、Sink機器に送信する。

これによって、Sink機器はSource機器がどのようなコンテンツの映像を出力してくるかがわかり、その出力に合わせて表示方法を調整することができる。例えば、Source機器がゲーム、Sinki機器がテレビだったとすると、ゲーム機はテレビにコンテンツタイプが「Game」だと伝え、テレビはなるべく遅延が少なくなるように映像を出力する(ゲームをプレイするときの違和感を無くすため)、という制御が可能になる。


コンテンツタイプの種類と意味

現在のところ、コンテンツタイプはGraphics、Photo、Cinema、Gameの4種類が定義されている。

各コンテンツタイプがどのようなものか、ざっくりとしたイメージを書いてみる。
(※厳密な説明では無いので、詳しくはCTA-861という規格書を参照してください)

  • Graphics:一般的なHDMI出力であり、例えばPCなどのIT機器が出す映像信号。
  • Photo:デジタルカメラなどが出力する静止画の信号。
  • Cinema:ブルーレイプレーヤーなどが出力する映画などの映像信号。
  • Game:ゲーム機が出力する映像信号。

Sink機器は、各コンテンツタイプに応じて色やオーディオ、遅延の設定などを調整して表示する。

なお、コンテンツタイプはSource機器によって固定されているわけではなく、ひとつのSource機器が複数のコンテンツタイプを出力するケースも考えられる。

デジタルカメラを例に考えると、静止画をHDMIで送るときにコンテンツタイプを「Photo」に設定し、動画を送るときにはコンテンツタイプを「Graphics」に設定する、というケースも考えられる。

コンテンツタイプに関係する規格

AVI InfoFrameの構造やContent Typeの種類は、Consumer Technology Association(CTA)が管理しているCTA-861という規格書で定義されている。

また、Content TypeによるSourceの制御については、HDMI Licensing Administrator, Inc. (HDMI LA) が管理しているSpecificatonでも言及されている。

どちらの規格書もCTA/HDMI LAのメンバーでなければ入手できないので、実際の設計においては仕様書を入手したうえで、適宜参照しながら設計を進める必要がある。


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