【部品】半導体ICのベーク(bake)、ベーキング(baking)とは

ICを扱っていると耳にするベーク(ベイク、ベーキング、ベイキング)とは

基板にICを実装するとき、「開封後にベークしてください」とか「ベーキング後に実装してください」といった言葉をたまに聞く。ベークとは英語のbake、ベーキングとはbakeの動名詞のbakingのことであり、単語としてのbakeは「焼く、乾燥させる」という意味である。

ではICのベークとは何をするかというと、ほとんど単語の意味そのままで、乾燥炉(ベーキング炉)に入れてICを乾燥させ、湿気を飛ばす処理のことをさす。主に工場で基板に半田リフローで部品を実装する際にベーク処理が必要になる場合が多い。

半田リフロー実装を行う工場であれば、大体こういうベーキング炉が備えてあり、必要に応じてICなどをベーク処理してから基板に実装する。なお、私の経験上は「ベーク」と「ベーキング」は同じ意味で使われている印象なので、特に意味の違いがあるわけではない。

 

なぜベーク処理が必要か?

なぜわざわざそんなことをするかということだが、ざっくりまとめると 
  • ICのパッケージに使われる樹脂(プラスチック)には吸湿性があり、水分を吸収する 
  • 水分を多く含んだまま半田リフローを行うと水分が一気に気化する
  • その結果、水分が気化により体積膨張し、ICの樹脂パッケージが割れる 
という問題が起こるため、半田リフローする部品ではベーク処理を求められることが多い。詳細は参考文献により詳しく書いてある。

また、ベークせずにリフローしてもパッケージが割れなければOK、というわけではなく、水分の気化によりIC内部で目に見えない破壊が起きる可能性もあるので、湿気の懸念がある場合にはベークは必須となる。ちなみに、手はんだでつけることが前提の部品については、水分が一気に気化するようなこともないのでベーク処理を行うことはあまり無い。

なお、ベーキングをするかどうかということを明確化するために、JEDECにより「MSL(Moisture Sensitivity Level)」という規定もある。これについてはまた別の記事でまとめてみたいと思う。直接基板の製造に関わらない電気設計者でも、工場の実装担当者とコミュニケーションするときには半導体ICのベーク処理は必要な知識になるかと思うので、頭に入れておくと役に立つはず。

 

参考文献

ユーザにとって、ICのベーキングは必須の作業でしょうか? | アナログ・デバイセズ
https://www.analog.com/jp/education/landing-pages/003/bbs/bbs_11.html

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