スペアナ(スペクトラムアナライザ)のRBWとVBWの違いは?

スペクトラムアナライザのRBWとVBWとは

スペアナ(スペクトラムアナライザ)で測定するときに、RBW(Resolution Band Width)とVBW(Video Band Width)という設定項目がある。

基本的に規格に沿った測定ではRBWやVBWの値は指定されていることも多いが、そもそもスペアナをあまり使ったことがないとRBWとVBWって何?どう違うの?という疑問を持つ人も多いと思うので、簡単にRBWとVBWの概要をまとめてみる。

RBW(Resolution Band Width)はIFフィルタに大して設定する帯域幅

スペアナに入力された信号が、スペアナのディスプレイに表示されるまでのブロック図を以下に示す。なお、本当は入力信号はアッテネータで減衰されたり、ミキサには発振器の入力が入っていたり、ADコンバータでアナログ・デジタル変換されていたりするのだが、RBWとVBWの説明に不要な部分については省いている。
入力信号はミキサを通ってIF(Intermediate Frequency:中間周波数)フィルタというBPF(Band Pass Filter:バンドパスフィルタ。特定の周波数帯の信号を通過させるフィルタ)に入力される。このとき、BPFを通過させる周波数帯域の設定がRBWとなる。RBWを変更することで周波数の分解能が変わってくるので、IFフィルタから出力される信号波形も変わってくる。

なお、RBWを変えると測定波形がどのように変化するのは、測定器メーカー・アンリツの以下のページがわかりやすい。

測定のツボ RBWを変えると測定波形が変わるのは何故?

VBW(Video Band Width)はビデオフィルタに大して設定するカットオフ周波数

次にVBWだが、先ほどのブロック図でIFフィルタから出てきた信号が検波器に入力されたあとでディスプレイに表示されるが、ディスプレイに表示するまえにビデオフィルタというLPF(Low Pass Filter:ローパスフィルタ。特定の周波数より高い周波数の信号を減衰させるフィルタ)に信号が入力されている。
このLPFを通すことにより、信号波形の高周波ノイズを低減させることで、ノイズに埋もれたピークなどを見やすくすることができる。ただし、レベル変動が激しい信号を測定している場合、VBWを小さくしすぎると信号もLPFで減衰されて見えなくなってしまう可能性があるので注意。

RBWとVBWのまとめ

上記で説明したように、RBWとVBWは両方ともフィルタに大して設定する帯域幅/周波数ではあるが、役割が異なるため比較することにあまり意味はない。ただ「RBW VBW 違い」という風に検索するかたも多いようなので、今回はあえて以下の表のようにまとめてみた。
RBWやVBWに関するさらに詳しい説明は、参考文献のアンリツのWebサイトがわかりやすいので、そちらを参照。

参考文献

測定のツボ スペクトラムアナライザのVBWとは?RBWとの関係性は?

0 件のコメント :

コメントを投稿